
前回のゼミの「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」の輪読で
IMFと世界銀行ってどう違うのよ?っていう話になりました。
というわけで、まとめちゃいました。
(左はお世話になった本です)
最初に要約。
昔はともかく今は発展途上国援助っていう観点からはIMFと世銀は同じ。
世銀は開発援助(インフラ・人的ソフト面など)でIMFは国際金融(収支改善・インフレ改善)。
この理解でいいと思います。
80年代までは業務は完全にすみわけされてたけれど、世銀の援助はマクロ経済が
安定しないと効果を発揮しないので融資をするようになった。
IMFは国際収支改善とかインフレが短期の融資じゃ改善しなくて長期の融資もやるようになった。
そこで、仕事に重なる部分が出てきた。(調整してうまくすみわけしている)
80年代まではIMF・世銀ともにワシントンコンセンサスを強力に推進していたけど
うまく行かないことが分かってきて、変革を迫られている。
こんなところです。
以下は参考文献の抜粋
IMFと世銀の違い(IMFは●、世銀は○)
<やることの違い>
●IMFは国際金融
○世銀は開発援助
●金融的側面を中心に国際通貨体制の安定と国際収支のスムーズな調整を促進するのがIMF
○中長期の開発問題に取り組むのが世銀
●IMFの典型的支援は国際収支危機・インフレ・低成長などに陥った国に対し、
融資を行うと同時に財政・貨幣政策・価格調整・為替政策・金利政策といったマクロ経済分野での
改善策の実施を義務付け(コンディショナリティってやつ)、それが守られているかモニターする。
アメとムチの論理。IMFの融資を受けるには国際収支の悪化を訴えるだけでなく、
収支を好転させるための政策パッケージを提案しなければならない。
○世銀は開発投資が本来業務とし、電力エネルギー・運輸・通信・農業・
上下水道・教育・保険・医療・人口・環境などの分野においてプロジェクト融資を通じた支援
<組織の違い>
●IMFはマクロ経済分野に特化した均質な組織。大半がエコノミスト。
○世銀の組織、職員の規模はIMFより複雑。(職員数4倍)色々な分野の専門家がいる。
●IMFは融資に関わる書類作成は局長・課長以上の仕事であり、一般スタッフの発言権は
きわめて限られている。相手国と交渉を行うのは局長・課長。
一般職員は指示されたシナリオに基づいてファイナンシアルプログラミングと呼ばれる
マクロ経済フレームワークの予測分析を行ったり、必要なデータを収集したりするのみ
○世銀はボトムアップ。国別援助戦略の策定など業務方針に関する決定は
各地域の副総裁・国担当局長などの一部の上級マネージメントが行うが、
個別のプロジェクトの形成・審査・融資交渉・実施モニタリングなどについては
その案件の担当者に大きな裁量が与えられる。
上を見ると結構違うけど、なんかおんなじっていうイメージを持ってた。それはなぜ?
元来明確なすみわけがあった。しかし、80年代以降両機関の業務に重なりが出てきている
マクロ経済が安定しないと、プロジェクトの成果が出ないため、
世銀はノン・プロジェクト型投資に取り組むようになった。(プロジェクトで必要→融資を行うという形しかなかった)
また、IMFは累積債務国の交際収支の赤字は当初仮定していたような
一時的なものではなく構造的な要因によるもので、その解決には中長期にわたる
経済改革が必要であることが明らかになり、
低金利で支払期限の長いソフトローンを供与するようになった。
両機関の業務が似てきたことにより、86年に相互の協力について相互ガイドラインが設けられ、
定期的に見直されるようになった
80年代以降頻繁に情報交換や合同ミッション、共通の政策枠組み所の策定を通じて連携を強める。
政策改革支援を決定する時に、世銀・IMFが提唱してきた開発哲学は、
財政金融を引き締め総需要を抑制した上で、大胆な構造調整を行って成長を目指すと言うもの。
もちろん、自由市場の力による調整・成長回復機能を信奉する新古典派経済学がバックボーン。
米英でも小さい政府の実現に向けて民営化や規制緩和を積極的に推進した時代であり、
ワシントン・コンセンサス(政策処方箋の別名)が協力に支持された。
こんな流れがあるそうです。
で、ワシントンコンセンサスがうまく行かないじゃんって話になって(世銀が先に言い出した)
IMFも路線変更を迫られてる。てな感じです。
これ以降は、「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」(など)を読んでください。
<引用・参考文献>
世界銀行 開発援助戦略の変革 大野 泉 (著)
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